2006年10月22日

「かまいたちの夜×3」やっとクリアしました

サウンドノベル作成ツールを作るにあたって、サウンドノベルの代名詞である「かまいたちの夜」の研究はかかせないわけで、最新作である「かまいたちの夜3 三日月島事件の真相」も一ヶ月ちょっと前に購入してはいたんですが、しばらく中断していました。
ノベリオン作りもありますが、何より前作と比べてゲーム自体の難易度がずいぶん上がっていて、クリアできなかったというのが正直なところです。前作までの“小説”からずいぶん“ゲーム”になっている印象を受けました。

さてゲーム内容ですが、シナリオの流れは一作目、二作目までの末広がり型から、「街 〜運命の交差点〜」と同様にザッピングを多用して物語を進めていくポイント切り替え型に変化しています。

「街」スペシャルガイド〜サウンドノベルシナリオ入門 ちなみに、末広がり型ポイント切り替え型については、メディアファクトリーから1999年に出版された「街 〜運命の交差点〜 スペシャルガイド サウンドノベルシナリオ入門」という本が詳しいです。街のガイド本という体裁でありながら、後半のサウンドノベルの歴史や分類がなかなか読み応えあり。チュンソフトの代表的な三作の他にも、ファミコンやそれ以前のアドンベンチャーゲームまで言及してあって面白いです。サウンドノベルが好きな方、サウンドノベルを作りたい方は一見の価値あり。


同誌によるチャートスタイルの解説

前作までのフローチャートの代わりにタイムチャートが付き、見た目はなまんま「街」です。ただし物語は1日だけなので、かなりこぢんまりとした「街」という感じ。最初に選択できる主人公は香山のみ。一人称が大阪弁というのはなかなか違和感のある小説ですが、物語を進めていくにしたがって前作までの主人公である透や、久保田俊夫、北野啓子も選択できるようになります。
「街」ではザッピング方式でも主人公同士が同じ現場で絡むシーンは少なかったんですが、今回は三日月館という狭い空間で話が進むので、主人公同士が同じ場所に居合わせることが多く、それぞれの視点で考えていることが全く違うのが面白いです。

かまいたちの夜2は本編クラスのシナリオが3本、さらにおまけシナリオがいくつかあり、ボリューム的には満足でしたが、バッドエンドのクオリティが低く、数稼ぎだけのようなものばかりで、一作目のようにハッピーエンドよりも印象に残るバッドエンドが無いのが不満でした。 それに比べ今回はバッドエンドになっても全体として(クオリティは別としても)整合性のとれた物語になっていてストレスを感じません。
またザッピング方式ならではバッドエンドとして、他の主人公の行動により芋づる式にバッドエンドというのがいくつかありますが、これも主人公同士の行動が絡んでいて楽しめます。
例えば、財宝に目がくらんだ香山は呪いをおそれて早々に島を立ち去ってしまう→透は真理と疎遠になりながらも一心不乱にオムレツ作りを修行、店を開いて成功→香山の根性焼きチェーン店がオムレツ店に食われていき、香山は打開策として早食いタダキャンペーンを実施→啓子がそれをただで食べ尽くし、香山の店大打撃→みんなバッドエンドってな具合です。

シナリオが前作までと密接に絡んでいるためか、おまけで一作目、二作目の本編も収録されています。ただ本当に本編のみでフローチャートもないので(章ごとには始められる)ざっとおさらいといった感じです。でもPS2で綺麗なフォントになった一作目「ペンション“シュプール編”」はちょっと新鮮な感じ。脅迫文が見付かるシーンでは移植毎に変わるドラマ、今回は「サカチュー」でした。「堺の中心で金を稼ぐ」だそうです。
あと細かいことですが、OLのシーンのカメラがデジタルカメラに変わりました。いくら時代遅れとは言え、この変更はなぜなのか不思議です。“デジタルカメラ”、“デジカメの液晶”、“フラッシュモードが設定”、“液晶画面”とデジカメであることを意識させる単語が続いていて、文が実にくどいんです。

それにしても、サウンドノベル作成ツールを作っている観点から見ると良くできていてうらやましい。前作のネタバレしないように工夫された可変式フローチャートや、今作にも共通のページ単位での前ページ読み返し、読み飛ばし。さらにその全てのページに一発で移動が可能。ノベリオンでも同じシステムにしたかったんですが、容量その他の問題であきらめました。
シナリオについても、主人公が全員同じ場所にいるシーンなど必然的に同じ内容の繰り返しになってしまう文を、主人公によってまったく違う印象でとらえていたという面白さを加えたり、プレイヤーが既に読んでいる流れをうまく省略するといった工夫が見られてすごいなぁと感服するばかりでした。


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