アイアンマンだの、ハルクだの、バットマンだの、今年の夏はスーパーヒーローが来てますが、そんな中にあってちょっとノリの違うヒーローがウィル・スミス演じる「ハンコック」ですね。彼はスーパーマンのように空も飛べるし力もすごい。なのにホームレスのような風体、ベンチで酔いつぶれ、面倒くさそうに犯罪を処理するも、二次的な被害額の方が高く付いてしまい、感謝されるどころか、人々には「Asshole, Jackass, Punkass(くそったれ)」とののしられる始末。
ある男が電車に轢かれそうになったのを助けても、貨物列車を大量に脱線させてしまい、集まってきた野次馬にボロクソに言われるハンコック。しかし助けたその男はPRマンで、命の恩人であるハンコックに対する世間のイメージを変えようと試みます。彼は、ハンコックが迷惑になるようなやり方でしか人助けできないのは孤独からだと見抜き、家族ぐるみで彼のよき理解者になりつつ、PRマンとしての腕も発揮し「彼がヒーローである」ということを世論に再認識させることに成功していきますが・・・というようなお話。
★下記、ネタバレですよ★
見終わってみると、これはヒーローモノではなく、結構ベタな恋愛映画だなあと思いました。オチを言ってしまうと、PRマンの妻であるメアリーもスーパーパワーを持っていて、メアリーとハンコックは運命で結ばれたカップル。どこにいてもお互いが惹き合うようにできていて、二人が近づくとお互いのパワーはなくなり、不老不死ではなくなってしまう。そして人間として二人で生涯を終えられるようになってるんですね。地球には他にもたくさんのカップルがいたけど、そんな事情があって今はもうハンコックと彼女しか残っていない。
ハンコック達も数千年の間、何度も出会っているのに、その度に邪魔が入り、お互いの命を助けるために離ればなれになるということを繰り返してきました。そして一番最後に別れたのが80年前、その際ハンコックは記憶を失ってしまい、自分が何者かわからない孤独さからひねくれちゃってたわけです。
ヒーローモノにしちゃあロマンチックな話ですよね。もちろんメアリーには既に人間の旦那がいるわけで、運命としてハンコックとは惹かれ合いつつも、旦那も愛しているわけです。ちょーわかりやすい三角関係。ヒーローモノには欠かせない、ヒーローと同じ力を持った悪のようなものももちろん出てきません。メアリーとものすごい喧嘩をしますが、映画として一番派手なアクションシーンはそれぐらいで、スーパーマンみたいな映画を期待して見に行くとちょっとがっかりします。
それよりも女の子と恋愛映画見に行くノリで見た方が全然楽しめると思います。運命で惹かれ合いつつも、お互いのために離れなければならない二人というのは女性でもちょっと楽しめると思いますし、男性はハンコックのむちゃくちゃな人助けっぷりを楽しめばいいし。全体的にコメディテイストなのもデートムービーの王道って感じでした。
ハリウッド歴代興行成績第二位にのし上がってしまったダークナイトのように、あり得ないくらい面白いということはありませんが、あんなに重い感じもないし、軽い気持ちで楽しめる映画です。
ハンコック オフィシャル・サイト(予告編ありますよ)
http://www.sonypictures.jp/movies/hancock/
Hancock Official site(ニュース番組風に「Who is Hancock!?」)
http://www.sonypictures.com/movies/hancock/
ハンコック@映画生活(レビューとか)
http://www.eigaseikatu.com/title/23028/